台湾のバナナ園地を視察しました

 

 

11月に、弊社が取り扱う台湾バナナ、烏龍バナナの園地視察と出荷立ち会いに台湾へ行きました。

園地やパッキングハウス、台湾の市場やスーパーの様子をご覧ください。

 

烏龍とは?

烏龍は北蕉の改良品種です。台湾のバナナには様々な種類がありますが、ポピュラーなものは北蕉です。200年以上前に中国から持ち込まれた品種と言われていて、日本に輸入されるバナナの大半を占めるキャベンディッシュ種とは見た目も味も異なります。

中段キャベンディッシュ 左上旦蕉 右上北蕉      北蕉、いわゆる台湾バナナ     小さくて味の濃い旦蕉、値段も高め

 

北蕉はキャベンディッシュに比べるとやや短く太いです。食感はもっちりしていて味が濃いです。

 

収穫した烏龍バナナ

 

十分な日光、大量の水、こだわりの肥料により烏龍バナナの木は太く、葉は枯れている物が少なく大きくて力強いです。また平均気温が低い雲林県でじっくり育てられたバナナは甘くて栄養たっぷりです。

烏龍種バナナ園地の特徴

バナナはじっくりと日数をかけて生育していく方が、味に深みや濃厚さが加わって美味しいバナナになります。雲林県は台湾の中部に位置し、バナナの産地としては寒冷な気候です。気温が低いとバナナの成長が遅くなります。花が咲いてから収穫まで12~15週かかり、これはフィリピン産ではハイランドと呼ばれる高地栽培されたものと同じ日数です。

(日本で一般的に販売されているバナナは10~11週です。)

 

木と木の間隔が広い

高雄市、北蕉の園地                雲林県、烏龍種の園地

 

屏東県の園地では木と木の間隔が1メートルほどですが、烏龍種では約3メートルあり十分な間隔を確保しているため、葉は大きく、茎も太く育ちます。

 

大量の水やり

高雄市の園地 土壌は乾燥している                雲林県の園地 土壌は湿潤している

 

通常、バナナの園地ではチューブを使って水やりをします。バナナは水をたっぷり与えることでよく育ちますが、土壌が湿っているとパナマ病が広がる要因となってしまうので十分な水を与えることができません。本園地では10日間雨が降らなかった場合、水田のように水を張ります。この土地ではバナナと稲を交互に栽培しており、それが連作障害を防いでパナマ病に強い土壌を作り出しています。稲作に向く園地だからこそ出来る手法です。

 

バナナの収穫体験

 

バナナの収穫は大変な重労働です。このひと固まりをバンチと呼び、1バンチは30~50kg程です。私が抱えているのは35㎏と軽い方でしたが、一つ運ぶだけでも大分疲れました。

 

パッキングハウスの様子

 

収穫されたバナナはパッキングハウスに運び込まれ、小分けにカットされます。私もカットしてみましたが、ハウスの従業員とは速度も断面の綺麗さも比べ物になりませんでした。

 

 

カットしたバナナを洗浄し、パッキングします。カット毎に名称は「バンチ」→「ハンド」→「フィンガー」と変ります。右の写真のように、一般的に販売されているのは「フィンガー」です。自分が収穫したバナナがお店に並ぶと思うと感慨深いものがあります。

 

 

箱詰めして出荷準備完了。この状態で日本へ運ばれていきます。

 

台湾の市場

 

台湾の市場は日本の市場を参考にして機械など色々と導入しているという話でしたが、日本の市場とはだいぶ違う印象を受けました。

日本の市場は相対取引が大半ですが、台湾の市場はセリが大半を占めるため、そこかしこにセリ場が設けられにぎやかな様子でした。

 

台湾のスーパー

 

台湾の人が一番好きなフルーツはりんご。売り場もこの広さ! 中でも日本産のトキは大人気でどこのお店でも試食があるほどです。

また、台湾の人は外食文化のため買い物をする人も飲食店関係者が多く、果物の見た目の綺麗さはあまり重視されていません。

 

 

ヤシの実です。18台湾ドルなので1個60円程。この状態から外皮を削って白い塊にしたものなら日本でも流通しています。右の写真はヤシの実の自動販売機です。大きめのスーパーではよく見かけました。外皮を削った状態で入っています。自販機が穴を開けてくれるので、付属のストローを指して飲みます。日本円で210円程。

 

バナナの売り場は力が入っています。1房200円程と値段も安めです。    外皮がなめらかでサイズが大きい台湾産アボカドです。

 

 

日本の果物はブドウ、りんご、なし、桃、みかんなどが輸入されており、高級品としてコーナーが設けられているお店が多いです。日本の果物は全体的にとても甘いというイメージがあり、好きな人と苦手な人に分かれるようです。

 

台湾の景勝地

 

産地巡りの途中に景勝地に立ち寄りました。新北市にある龍洞湾です。あいにくの天気でしたが、景色は良く、磯釣りや潜水の人気スポットだそうです。

 

まとめ

台湾で一番感じたことは、食文化の違いによるスーパーの売り場の違いです。外食文化の台湾ではカットした状態で提供されるので外見のよさは重要ではありません。また、パッキングなどで綺麗な売り場を作るよりも、品物を山と積み上げる売り場の方が好まれるようであり、お客様の需要に合わせて売り場を作ることの大切さを感じました。

 

また、これまでは生産者からの情報で台湾バナナを販売していましたが、実際に産地を見ないと分からないことがたくさんあることに気づきました。今回の経験のおかげで、台湾バナナの商談に自信を持って望むことが出来そうです。

 

news

これらの取り組みもあって台湾バナナの対日輸出量が急増し、NHK BS1 国際報道2020にて当社の台湾バナナが紹介されました。

 

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