輸入ブドウについて
輸入ブドウの種類
世界の果実生産量のシェアは上から順にバナナ(16%)リンゴ(12%)ブドウ(11%)オレンジ(10%)となっており、ブドウは世界で3番目に多く生産されている果実です。このうち大半はワインに加工され、生食用は一部です。ワイン用と生食用は種類が違うため、ここでは弊社の取り扱う生食用輸入ブドウの一部をご紹介します。
クリムゾンシードレス
種無しの赤ブドウです。皮ごと食べることができ、とても食べやすいです。全体的にパリッとした歯ごたえで甘味と酸味をはっきり感じる輸入ブドウらしい品種です。
レッドグローブ
赤系、種有りではとてもメジャーな品種です。皮に若干の渋みがありますが、慣れるとむしろ美味しく感じます。
甘味が強く、酸味もあるぶどうらしい味わいで、ついつい食べ続けてしまう美味しさです。
トンプソンシードレス
種無しの白ブドウです。皮が薄いため渋みがほとんどありません。甘みが強く酸味が少ないためとても食べやすい味です。
種類についてより詳しく知りたい方は豊洲市場ドットコムさんが作成した#葡萄の家系図などもご覧ください。
目次
国産ブドウとの違い
様々な種類があるので一概には言えないのですが、傾向として国産は皮が厚く、実が柔らかい。輸入は皮が薄く、実が硬いという特徴があります。
輸入ブドウは色の他、種有りと種無しで大別することができ、種有りはレッドグローブ。種無しは〇〇・シードレスと呼ばれるものが多く出回っています。
ブドウの色の違いについて
品種が違う、としか言いようがないのですが、あくまで傾向の話であれば緑のブドウは赤や黒のブドウより皮が薄いです。また糖度も高い傾向にあります。でも緑ブドウの方がおいしいというわけではありません。皮が薄い方が渋みがなくておいしいという人もいれば、厚い方がブドウらしい味がしておいしいという方もいます。糖度も高ければいいわけではなく、酸度とのバランスなのでどの品種がおいしいかは好みの問題です。ただ、赤ブドウと緑ブドウを同時に試食として提供した時、大部分の方が赤ブドウを先に食べるのは意外な発見でした。日本人にとって色付きブドウの方が馴染みがあるということかもしれません。
人気急上昇中の輸入ブドウ
最近、スーパーなどで輸入ブドウを1年中見かけるようになりました。以前は国産ブドウの無い時期を中心に出回っていましたが、ここ数年で輸入量が大幅に増えたためです。
財務省 貿易統計より
最近の果実のトレンドについて
近年、手や服を汚さない、カットなどの準備に手間がかからない、ゴミが少ないなど手軽に食べられる果物の人気が高まっています。種が無く、皮ごと食べられる輸入ブドウはとても手軽な上、おいしく安いため売り上げを伸ばしています。また、ブドウはチチュウカイミバエの侵入防止の観点からアメリカやチリなど一部の国からしか輸入が認められていませんが、2014年にオーストラリア産の3品種(クリムゾンシードレス、トンプソンシードレス、レッドグローブ)の輸入が低温処理などの条件付きで解禁されました。さらに、現在輸入ブドウには3月~10月に17%、11月~2月に7.8%の関税がかけられていますが、TPP11の即時関税撤廃の対象となっています。これらの要因から、今後もブドウの輸入量は増えていくと思います。
ブドウが日本に来るまで
ブドウは一部の高級品を除いて船で輸入されます。輸入ブドウが安価なのは日持ちが良く、船で大量に運んでこれるためです。メキシコから輸入した場合、出発して日本到着まで約2週間かかりますが、収穫から到着まで冷蔵状態が保持されているため新鮮なまま召し上がれます。家庭でも冷蔵すれば長持ちしますが、乾燥に弱いので容器にいれましょう。
生育の様子
皆さんがブドウ畑と聞いてイメージするのはこのような風景ではないでしょうか
輸入ブドウの畑はこうです
実は国産のブドウも自然状態では同じように育ちます。養分の分散を減らすために枝につく房の数を絞ったり、出来た房も見栄えが良くなるよう整形するなど、細かく人の手を加えることでこのような違いが出てきます。
輸入ブドウでも同じ作業を行いますが、粒を大きく、おいしくするための剪定で形は重要視しません。
この姿勢の違いはパッキングにも表れていて、国産は出荷のさいにひと房づつ丁寧にパッキングすることが多いですが、輸入ブドウのパッキングは形を整えるようなことはせず、重さを計って次々とパッキングしていきます。こういった点も輸入ブドウが安価な理由の一つです。また、海外は皮ごと食べる文化のため残留農薬に対するチェックが非常に厳しく、輸入時にも検査があるため安全です。
このように効率よく生産されている輸入ブドウですが、熟度を見極めてひと房づつ人の手で収穫していく点は国産も輸入もおなじです。見た目こそ整えられていませんが、味はとてもおいしいと自信を持って言えます。
ブドウを専門に取り扱う弊社の営業が園地を周り、糖度を調査し、試食をして輸入元を決める輸入ブドウ。
弊社が自信を持ってお勧めできる商材の一つです。
大容量の原箱規格ですが、個人向けの販売もしております。
業者の方はこちらからお問い合わせください。
より詳しい現地の様子はこちらのページもどうぞ。
ブドウ産地の様子
オーストラリア アメリカ
チリ メキシコ
輸入ブドウ雑学
ブドウの輸入先
財務省関税局「貿易統計」より
輸入先は北から南へアメリカ、メキシコ、チリとアメリカ大陸を縦に走る3ヵ国が大半を占めています。これは前述したようにチチュウカイミバエの影響で他産地からの輸入が禁止されているためです。2014年に解禁されたオーストラリア産が早くも4分の1のシェアを持っている点も注目です。これらの産地は緯度の違いから生産時期が異なるため、弊社は産地リレーを行うことによって通年供給を可能にしています。
ブドウの皮は食べる? 食べない?
海外の人が日本に来て驚く事の一つに、日本人がブドウの皮を食べないということがあります。果物の皮を食べる食べないの選択は果物の種類や文化によってさまざまですが、リンゴ、モモ、ナシ、ブドウなどは皮ごと食べる地域が多く、日本人は比較的皮を食べない文化と言えます。中にはキウイフルーツやみかんのような果物も剥かずに食べる文化があるのだから驚きです。ちなみに、日本人が普通に食べる魚の皮や鳥の皮は海外ではあまり食べられていないようです。
今でこそ国産のブドウにも皮の薄い品種が増えてきましたが、多雨の日本では皮の薄いブドウは栽培が難しいという背景があり、多くは皮の厚い品種でした。厚い分独特の渋みや苦味が強く、一般的においしいとは言えません。ブドウに関しては、これが皮を食べない理由の一つでしょう。一方輸入ブドウは皮が薄い物が多いので皮ごと食べるのがおすすめです。逆に皮を剥こうと思っても難しく、特に皮の薄い品種を剥いて食べるのは湯剥きなど特別な手間をかけないと不可能です。
輸入ブドウの注目効果
ブドウはブドウ糖、ビタミン、ミネラルを含む他、皮にはポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれています。ポリフェノールはフェノール性植物成分の総称で5000種類以上あると言われています。(ちなみにブドウの品種も5000種類以上あるらしいです。)ほとんどの植物に含まれる成分ですが、ぶどうに多く含まれるアントシアニンには、眼精疲労の改善。タンニンには美肌。ペンタペプチドには健忘症やアルツハイマー病の改善。レスベラトロールにはガンやアレルギーの抑制作用があると報告されています。
また、食物繊維には腸の働きを活発にする効果があります。ブドウに限らず果物の皮には豊富な栄養があることから、近年果物の皮を食べることに関心が集まっていますが、習慣、味覚などの問題から食べづらいものもあります。輸入ブドウの皮はとても食べやすいので、まずはブドウから試してみてはいかがでしょうか。
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