台湾の果物産地や研究機関を視察しました

 

 

 

台湾について

 

8月に約2週間ほど台湾の人材交流プログラムに参加し、台湾中の園地、市場、研究施設を視察しました。台湾は人口2300万人、九州とほぼ同じ面積の島国です。北部が亜熱帯に、南部が熱帯気候に属しているため、果物の生産が盛んです。台湾の人もたくさん果物を食べますが、消費より生産量の方が多いため、台湾政府は輸出に力を入れています。そういった台湾の様々な果物を日本に輸入できないか、あるいは日本食を好む台湾の人に日本の果物を輸出できないか、などを調査しました。本プログラムではmitagri社の皆様に全プログラムを構成しアテンドして頂きました。mitagri社は台湾の農産業活性化に総合的に取り組んでいる会社です。

 

ナツメ園


ナツメは日本では漢方や薬膳に利用されることが多く、その歴史は奈良時代からと言われていますが、あまり一般的な果物ではありません。中国原産で生果の味はりんごに似ていますが、ほとんどがドライフルーツの形で流通しています。台湾産ナツメの日本への輸出解禁は2016年で、まだまだ始まったばかり。ビタミンやミネラルが豊富なので、健康面へのアピールができれば流通量が増えるかもしれません。

 

ドラゴンフルーツ園

 

変った見た目と名前から果実に覚えのある方は多いと思いますが、園地の様子はあまり知られていないのではないでしょうか。ドラゴンフルーツはサボテンの1種で、現地ではピタヤと呼ばれています。日本へ輸入する際、販促のために中国語の火竜果を直訳したドラゴンフルーツと名付けられました。自由に成長させると10mにもなる巨大サボテンなので、傘のように垂れ下げて生育することで収穫しやすくしています。自然状態では写真の数倍の実がつきますが、こちらの園地は摘果して栄養を集中させています。日本には輸送が難しく未熟な状態でしか輸入できませんが、現地で頂く完熟ドラゴンフルーツは甘くて美味しいです。

 

マンゴー園

 

玉井区はマンゴーの郷と呼ばれるほどのマンゴーの生産が盛んな地域です。山の斜面を利用した畑になっており、果実が全て袋掛けされていることもあって、一見ではマンゴー畑に見えません。アーウィン、キーツ、金煌などの品種が栽培されています。キーツ種と言えば緑色の果皮が特徴のマンゴーで、日本でも緑色で流通していますが、台湾では薄桃色で流通しています。以前は緑色で流通していたものが、あるタイミングで薄桃色のものが出回って以来、それが主流となるように消費者の認識が変わってしまったそうです。

 

アテモヤ園

 

見た目はデコボコとしたこぶのような形状が特徴的で、お釈迦様の頭に似ていることから和名で釈迦頭と呼ばれます。果肉はドロドロした食感とクリーミーで濃厚な味。今回食べたものは糖度22.7度と非常に甘く、ヨーグルトのような酸味と合わさって「森のアイスクリーム」と呼ばれるのも納得でした。台湾産のアテモヤの日本への輸入が解禁されたのは2018年からです。果皮が柔らかいため扱いが非常に難しく、日本ではほとんど流通していません。

 

ナンバンカラスウリ園

園地の様子 時期ではないため実をつけていません

 

 

2019年から台湾政府の主導で育成が始まった新しい品種です。リコピンの含有量がトマトの70倍という点が突出しており、機能性食品としての市場流通が期待されているようです。台湾では視力低下が社会問題になっており、目に良いとされるリコピンが豊富に含まれるナンバンカラスウリが注目を集めています。ユニークな商材なので、今後の動向に注目したいと思います。

 

黄金果(アビウ)園

黄金果サイズ感

 

見た目と感触は黄色いトマトのような果実です。黄金果も完熟状態で果肉がゼリー状になります。味はナシのような風味と強い甘さがあり、酸味がほとんどなく、ゼリーを食べているような感触です。ライムやレモンを絞って食べると酸味が加わり、濃厚な味わいになります。ナンバンカラスウリ同様、日本では全く知られていない果物なので覚えておきたいと思いました。

 

果物加工施設

 

袋掛けして大切に育てられるマンゴーですが、正品になるのは収穫段階で半分ほど、さらに出荷までの燻蒸工程で3割程がロスするため、輸出できる品質のマンゴーは全体の一部です。上段の図は正品から弾かれてしまったマンゴーと、不良品にする基準を表した図です。

下段の写真はマンゴーの蒸熱処理施設です。各地で収穫されたマンゴーがこの施設に集められ、蒸熱とパッキングが行われます。蒸熱は熱を加えることで果実の殺菌殺虫を行う作業です。その国ごとに定められた検疫をクリアするために処理が行われます。扉がいくつも設けてあるなど、施設そのものも完全に害虫が侵入できない仕組みになっています。

 

台湾バナナ研究所

 

台湾バナナ研究所は、バナナの調査研究の他、品種改良、育種、苗の販売や技術指導を行っているバナナに関しては世界一の研究機関です。内部の写真は企業秘密のためお見せできませんが、バナナが種から苗に培養される過程はとても興味深く、施設からは先進的な技術や新しい取り組みに挑戦している様子がくみ取れました。今回は日本人のアテンドがなかったため、質問などで深く彫り下げていくことが難しく、勉強してもう一度訪れてみたいと思いました。

 

台湾のスーパー

 

日本のスーパーと大きく異なるわけではありませんが、マンゴーやドラゴンフルーツが無造作に山積みになっている点は台湾らしいところ。日本円で1個136円程です。

 

 

ドリアンが積まれていました。日本円で2000円程

 

台湾の市場

紅皮蕉(レッドバナナ)                      台湾の西瓜は夏の定番フルーツで、1個200円程
蘋婆(ピンポンの木の実)栗のような果物              菱角(ひしのみ)ナッツ系の食感

 

まとめ

 

今回台湾のほぼ全土を回った中で、訪れた場所それぞれで学ぶことや得られた知識があり、非常に貴重な経験をすることが出来ました。中でも、産地を見るということに何よりも刺激され、改めて農業がこんなにも面白く自分の興味・関心をひかれるものであるということを再実感しました。また、語学についても必要性を感じました。英語での説明は言葉として認識できても、理解を深めるための質問をすることは簡単ではありません。今回の経験を生かして商品やマーケットへの知識を深め、英語の勉強をし、より踏み込んだ話ができるようになってまた訪れたいと思います。

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おまけ:台湾の夜市

 

台湾夜市名物エリンギの丸焼きです。左図は焼いているところ。右図は完成品、甘い醤油タレに七味やこしょうをかけて食べます。

 

糖葫蘆(タンフールー)リンゴ飴に近い食べ物です。    タピオカミルクティー

 

 

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